■家の中で子供のいる場所で親子関係がわかる
親子関係というのは表面的には判断が難しいものです。
フリースクールなどに訪れた時は仲の良い関係に見えても、
実際に家の中でギクシャクしていることは普通にあります。
そこでこんな質問をしてみます。
「お子さんは昼間どこにいますか?家族がいるときは?食事はどうですか?」
これに対しての答えで親子関係は全てが分かってしまいます。
・部屋から出てこない
子供が家族がいるときでも部屋にこもって出てこないとなれば、
家族の存在に対して外にいるときと同じように捉えていることがわかります。
つまり自分にとって安心できる存在ではなく、むしろ敵対すべき相手である
ということが言えます。
食事についても一緒に食べないとなれば、常に警戒していることになります。
このような状態では不登校の解消に至るまでの道のりは、かなり険しいでしょう。
・いっしょに食事をとっている
家族がいるときでも一緒に食事をとったり、家族と一緒にリビングで
くつろいでいるのであれば信頼していると考えてイイでしょう。
自分に危害を加える存在ではないという認識を持っていて、
甘えているにしても悪い兆候ではありません。
また一緒にいるメンバーによって、一緒に居たり居なかったりとなれば
そこに何らかの問題が内在していると考えるべきです。
このことは親にも言えることで、親の方が子供と一緒に居たくない
だから家から出てしまう、食事の時間をずらすなど回避行動をとることがあります。
現実から逃げるために、あえて自分から向かい合わないようにしていると言えます。
■母親にこそ必要なのがカウンセリング
不登校になった子供にカウンセリングを受けさせる親がいますが、
子供に対するカウンセリングは必ずしも効果を発揮するとは言えません。
というのは、子供はどうしてもコミュニケーションが未熟なので、
カウンセラーとの会話が成立しないことがあります。
カウンセラーはちゃんと話をしているのに、受け手である子供のほうが
正しく認識できていなければ効果は得られません。
カウンセリングは定期的に通わなければなりませんが、子供は
通うのを嫌がって行かなくなることがあります。
にも拘らず、半年、1年、数年前に出されたカウンセラーからのアドバイスを
いつまでたっても守っているケースもあります。
例えば「しばらくゆっくりすればいい」という言葉を、
何年たっても続けているのは常識から言っておかしな話です。
状況は常に変化しているわけで、アドバイスがずっと同じであるはずがありません。
ゆっくりすればいい→今のままでいい→何もしなくていい→話を聞かない
となってしまいます。
しかし母親は子供のことを考えながら心理的に消耗していきます、
家族との板挟みになることもあるでしょう。
ストレスがあっても吐き出す場所がないのも母親の特徴ですから、
そんな母親こそカウンセリングを受けるべきなのです。
少しでも精神的に楽になれるなら、カウンセリングの意味はあります。
追いつめられて自暴自棄になる前に、母親にこそカウンセリングが必要なのです。