イヤの壁は3重構造になっている

■イヤの壁の構造を理解しよう

子供が作り出すイヤの壁について正しく理解しなければなりません。
イヤの壁は単純なものではなく、実は3重構造になっています。

イヤの壁が3重になっていることを理解すれば、
不登校そのものを理解しやすくなっていきます。
逆にこれが理解できないと、どうして不登校になっているのかを
探り出すことは難しくなります。

・第1のイヤの壁

最も子供に近いところにあって、不登校の直接の原因になるのが
第1のイヤの壁です。
学校に行きたくないということを親に説明するために、
子供はあれもイヤ、これもイヤとイヤの壁で自分を囲ってしまいます。
このイヤの壁を理解することが最終的に問題解決へと直結していきます。

・第2のイヤの壁

次にできる第2のイヤの壁は、第1の壁の外側に作られます。
親と対面している時に表面化しているのが第2の壁で、
親子の葛藤によって生まれる問題です。

・第3のイヤの壁

第3のイヤの壁は、第1と第2の間にできる壁です。
これは不登校の期間が長くなればなるほど、より大きく育ってしまうイヤの壁です。
これを時間の壁と言い換えれば分かりやすいかもしれません。

■多くの親子第2のイヤの壁を見ている

不登校の根本原因は第1のイヤの壁ですが、その壁は第2のイヤの壁によって
見えにくくなっており、更に第3のイヤの壁が大きくなってしまうことで
根本原因に打どり着くのは困難を極めます。

というより第2のイヤの壁こそが原因だと勘違いしてしまい、
親は第2のイヤの壁に対して延々と格闘することになります。
そしてこの第2のイヤの壁はとてつもなく強固になってしまう傾向があり、
親を押し返してしまうことから混乱に拍車がかかるのです。

■第2のイヤの壁は知らないうちにでき上がってしまう

第2のイヤの壁とは意識しないうちにでき上がってしまうので、たちが悪いのです。
では、どういう形でできていくのか見てみましょう。

まず、子供は急に「休みたい」と言いだします。
親は体調が悪いのかなと思ってしぶしぶ休ませます、数日経過すれば
子供の状態は良くなり回復したかのように見えます。

そのため、親は「学校行けるんでしょ」と子供に問いかけますが、
子供は薄い反応しか返しません。
更に親は「学校行かなきゃダメだよ、どうしていかないの?何かあるの?」と
強めに問い詰めて行きますが、それでも子供は反応しません。

それでも学校に行こうとはしませんが、家にいるのを見ていると
テレビを見たり、ゲームをしたりと元気そうに見えるのです。
学校へ行くように促しても、子供はハッキリした態度を取らないので
ついにヒステリックに「どうして返事しないの!」「学校に行きなさい!」
「泣いたって分かんないでしょ!」と詰め寄ります。

しかし学校の話をしていない時は、機嫌もよく普通の態度なので、
学校に行けないはずがないと親は思ってしまいます。
親はそのとき「単なるワガママだ」「何とかしなければ」と思い、
更に力を入れて子供に言い聞かせようとします。
これに対して子供は更に拒絶するようになり、泣きわめく、ご飯を食べない、
部屋に閉じこもってしまうといった行動に出るようになります。

これこそが第2にイヤの壁なのです。
「学校に行きなさい」ということを繰り返せば繰り返すほど、
第2のイヤの壁はどんどん高く強くなっていきます。

子供自身も学校に行くことが正しい事だと認識しているのですが、
不登校の根本的な原因である第1のイヤの壁を親に見せたくないがために、
第2のイヤの壁で自分を守ろうとしてしまうのです。

そして時間の経過とともに親も疲れ果てます。
厄介な事に第2のイヤの壁は、学校と関係のないストレスに対しても
その壁を強固なものにする原因となってしまいます。
家族が摩擦を起こせば起こすほどに、第2のイヤの壁は立ちはだかるのです。